ED編⑤ 平成11年6月4日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
『重度のED』
最後の手段!プロステーシス
ありとあらゆる方法を試してもうんともすんともいわない重度のED(勃起障害)に対して、とっておきの治療があります。陰茎海綿体内にプロステーシスといういわば、つっかえ棒のような物を埋め込む手術です。
これを入れたからといって常時勃(た)ちっぱなしというわけではありません。
この陰茎プロステーシスは折り曲げることが出来るので、普段は陰茎も下を向いており、いざという時だけ上に反り返るようになっているのです。
プロステーシスの問題点も理解しておこう!
ただし、この方法にも問題点はあります。
一番の問題点は、一度陰茎プロステーシスをいれてしまうと自分自身で勃起させる力が損なわれてしまうという点です。というのも本来勃起というのは陰茎海綿体にある平滑筋が弛緩(しかん)することで起きるのですが陰茎海綿体内プロステーシスを海綿体に入れてしまうと、結果的にこの平滑筋が挫滅してしまうことになるからです。
ですから、軽い気持ちで入れたりはせず、あくまでも最期の治療法であるということを忘れないで下さい。
また、セックスできるようになったからといって、射精やそれに伴なうオルガスムスも得られるかというとそうとも限りませんし、勃起自体も血流が流入して起きているわけではありませんので、陰茎の冷たい感じに不満をもたれる方もいます。
驚き!プロステーシスの結果成績
ただ、このような問題点を十分に理解した上で、手術を受けられた方の評判は非常に良好です。
札幌医大泌尿器科が以前まとめた成績をみると、陰茎海綿体内プロステーシス挿入手術を受けた重度の器質的EDの患者さんは、術後に全員がセックスできるようになってますし、4分の1の方が週3回以上もセックスを、半数の方が週1、2回のセックスをするようになっています。
また、手術を受けた方の90%以上が術後の性生活に満足していると答えています。
このように他のあらゆる治療が無効の際には、この陰茎プロステーシス挿入手術が確実かつ有効な治療方法といえるでしょう。