Dr.鈴木の体験談⑤ 平成11年9月10日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
マスターベーションでは射精できるがセックスでは射精できないというあなた必見です
マスターベーションでは射精できるけれども、セックスでは射精できないという人たちがいます。これは膣内射精困難というもので、結婚を契機に、子供ができない、いくらセックスをしてもオーガスムが得られないといった問題が表面化して病院を受診されます。彼らはその原因を奥さんの膣が緩いせいだとか、奥さんが相手だと興奮しないからだとかいった具合に奥さんのせいにすることが多いのですが、実際は自分がこれまで行ってきたマスターベーションに原因があることが多いのです。
男性のほとんどは思春期になるとマスターベーションを覚えます。その情報源は先輩や友達であったり、雑誌であったりとさまざまです。中には自分独特のやり方をあみ出す人もいます。実はここに落とし穴があります。
手で陰茎を握り、ソフトにピストン運動を行うというやり方でマスターベーションをしている人は、セックスで膣内に挿入してもさほど違和感を感じることなく射精できるはずです。ところが、膣内射精困難の人たちは、たいがいがこれとは違ったやり方でマスターベーションをしてきた人たちばかりです。
自分はどうだろう?もしかして・・・
では、そのやり方とは一体どのようなものなのでしょうか。大別すると3通りあります。手を使わずにシーツに陰茎をこすりつけたり、布団を太腿(ふともも)に挟んでする方法、ピストン運動ではなく亀頭部をこするだけでする方法、ピストン運動はするけれども手の握りをかなり強くして行う方法です。このような方法でマスターベーションしてきた人たちは、いざセックスをしてもこれまでの射精に至る過程とは異なる刺激を受けることになるので、なかなか射精することができないわけです。
彼らに対する治療は普通のマスターベーションで射精できるようにすることです。ただし、思春期のころから身についた習慣を治すのはそう簡単なことではなく、徐々にしかも根気よく続けていくことが大切です。