札幌市手稲区の泌尿器科専門、人工透析センター
夜間透析も行っています

陰茎も骨と同じように折れてしまうことがあるのをご存知ですか。これは実際には陰茎白膜の破裂で、勃起している陰茎が何らかの原因で急に折り曲げられた時に起きる疾患であり、陰茎折傷と呼ばれています。
この陰茎折傷、勃起時に起きるという状況の為、性行為中の発生頻度が多いのですが、Tさんの陰茎が折れたのは朝目覚めた時でした。彼はいつのころからか、指を鳴らすように朝勃（た）ちした陰茎を折って音を鳴らすのが日課になっていたのだそうです。
しばらくは何の問題もなく音を鳴らしていたらしいのですが、ある日ついに陰茎が折れて私のもとを訪ねることになりました。Tさんは診察室で陰茎が折れるに至った経緯を照れくさそうに話した後、さらに続けて言いました。「それにしても先生、ペニスが折れる時の音って凄いですよねぇ」「そうですね。バキッというような大きな音がすると言いますね」「確かに大きな音はしたけど、バキッという音とはちょっと違うなぁ」
私にとってはどんな音がしようとさして問題ではないので軽く流そうとしましたが、彼はどうもその話題にこだわっているふうでした。「バキッじゃないんだなぁ。うん、あの音は偶然だったのかなぁ。でも確かにああ聞こえてんだよなぁ」。独り言のように続けるTさんを無視するわけにもいかず「で、どんな音に聞こえたんですか？」と、私が水を向けたところ、彼は待ってましたとばかりに答えた。「はい、偶然かもしれませんが、こう聞こえました。ボッキって」

さて、そんな明るいTさんも、白膜を縫合するため手術が必要だと分かるとすっかりしょげ返り、私も心配になるほどでしたが、それもつかの間、手術の翌日には病室からこんな元気な声が聞こえてきました。「看護婦さん、看護婦さん、ペニスが折れた時ってどんな音がするか知ってるかい？」
「Tさん、ほんとに懲りてるのかな？」今度は違う心配が私の頭をかすめました。