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Dr.鈴木の役に「勃つ」診察室

Dr.鈴木の体験談② 平成11年8月20日スポーツニッポン新聞北海道版掲載

すてきな老後のために

ある時、私の外来を83歳になる男性が訪ねていらっしゃいました。彼の訴えは夫婦生活が週に2,3回しか出来なくなったということでした。私は自分の驚きをなるべく顔に出さないように心がけ、詳しくお話をうかがったところ、これまではなんと毎日2回、性生活を持っていたというのです。それが急に週2,3回となったものだから大変、きっと自分はどこか悪くなったのだと心配になり、病院受診とあいなったわけです。
セックスは子供を作るためだけにするわけではありません。生殖年齢を過ぎてからも、日常生活に潤いをもたらす、スキンシップを持つことで、男女の関係がより円滑になるといった意味から、性生活は非常に大切です。それは中年世代に限ったことではなく、高齢者にも言えることです。実際、札幌医大泌尿器科が行った調査によると、夜の生活がまだ現役であると答えた方が、70歳代前半で7割、70歳代後半で5割、80歳代前半で4割に達していました。高齢者も性生活をおう歌しているのです。
さて、今回のケースですが、ひと通りの検査を行ってどこも異常なしという結果をお話したところ「年のせいかな」とポツリとつぶやいて帰っていかれました。

一方的ではだめですよ~

高齢者のセックスで注意しなければならないこともあります。それは、相手の方もそれ相応の年齢だった場合に、苦痛を強いることになる場合もあるということです。確かにセックスはQOL(生活の質)を高める重要な役割を果たしますが、その一方で、大切なルール、セックスはどちらか一方だけが楽しむものではなく、互いに楽しむようにしなければならないということを守らないと、毒にもなり得るのです。
最近は高齢者でED(勃起障害)治療を希望される方も増えています。高齢化社会を迎えた今、すてきな老後生活を2人で仲良く過ごすために、セックスも重要な役割を果たすのですね。

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