性感染症編② 平成11年7月23日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
恐怖!!無症状のクラミジア感染
具体的に無症状の性感染症の頻度を挙げますと、たとえばクラミジアの感染の場合で、女性の4分の3、男性の半分が無症侯性と言われています。
これほど無症状のものが多ければ、セックスの体験相手が複数人いることが当たり前の今の世の中では、クラミジア感染が一般の人たちまで広がっていたとしても何ら不思議ではありません。
実際、ある調査によると、まったく健康に過ごしている普通の20代30代の男女の5%が知らないうちにクラミジアに感染しているのだそうです。
性器クラミジア感染症は妊婦の流産や新生児への結膜炎感染にも結びつくので放置しておくことはできません。しかし、恐ろしいのはそればかりではありません。
性感染症に対しての誤認
「クラミジアの陰にエイズあり。」この標語を提唱され、日本でのエイズ大流行を懸念されているのは日本性感染症学会理事長、(財)性の健康医学財団会頭の要職についている札幌医科大学の熊本悦明名誉教授です。
実は前述のクラミジアのデータも熊本名誉教授のグループが調査した結果です。
熊本名誉教授は、クラミジアに感染していることは2つの問題があるのだと言われます。
第1はクラミジアに感染しているということは無症状の性感染症にかかる機会をもっていたということであり、同じく無症状の性感染症で原因のウィルスHIVにもかかる可能性があるということ、第2はクラミジアで尿道性器が荒れていると普通の人の3、4倍もエイズにかかりやすいということです。
とはいえ、日本のエイズ患者の報告は少ないですし(本年<注:平成11年のことです>の4月末での道内累積HIV感染者、患者は47人)、まだまだ安全なのではないかと思われる方も多いでしょう。
いえいえ、それも全く安心材料とはなりません。