性感染症編① 平成11年7月16日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
忍び寄る性感染症
今、日本には性感染症(性病)がかなり蔓延しています。
このままでは、いずれ必ずエイズも大流行することになるでしょう。
これは決して大げさなことではなく、まぎれもない事実です。
それなのに、私たちの周りはエイズの問題をどこか遠い国の話のようにとらえている人が多く、その危険はおよそ伝わって来ません。
これもひとえに性感染症に対する日本人一人一人の認識不足、誤った知識によるものにほかありません。
そこで性感染症に関する誤った認識をテーマに取り上げて、性感染症の予防の重要性をみなさんで考えることにしましょう。
性感染症に対しての誤認
よくみられる勘違いが、性感染症は本番行為でしか移らないといった認識です。
そのような勘違いをしている人たちが、オーラルセックスをサービスするファッションマッサージやピンクサロンで淋病やクラミジアといった性感染症を移されるとたいへん驚かされます。
でも、驚くべきことではありません。咽頭にも淋病やクラミジアは住みつくことができるのです。
オーラルセックスを職業としている人の咽頭には、当然高頻度にこれらの細菌が住みついています。
そのような人たちがコンドームを使うことなしにオーラルセックスをするわけですから、性感染症にかかるのも当たり前といえば当たり前といえるかもしれません。
性感染症に気がつかない恐怖!
さて、淋病やクラミジアによる尿道炎になると、数日から2~3週間の潜伏期間を経て排尿時の尿道痛や尿道の掻痒(そうよう)感、排膿といった症状が出現します。 ただし、しっかりと治療さえ受ければ、これらの疾患はほとんど完治するので、さほど問題にはなりません。厄介なのは症状がでないために治療を受けない場合です。 こういった場合、本人は知らぬ間に奥さんや恋人に移ってしまいます。実はこういったケースが意外に多く、これが性感染症の蔓延につながっているわけです。