バイアグラ編① 平成11年4月9日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
現状を正しく理解しよう!
勃起不能治療薬バイアグラがついに発売となりました。
このことは新聞、テレビでずいぶんと報道されていましたから、みなさんもご存じのことと思います。
私のところにもバイアグラを求めて、すでに患者さんが来ています。
ただ、話題が先行しているわりにはバイアグラについて正しく理解してる人は少ないようです。
最も多い間違えが、バイアグラを協力な精力剤や催淫剤(性的興奮を高める薬剤)だとおもわれていることバイアグラの作用は、服用後1時間ほどして性的な興奮が加わると勃起しやすくなるというもので、勃起障害のある人にはその効果が期待できますが、催淫効果はありませんので普通に勃起にする人が服用してもあまり意味はありません。
バイアグラのメカニズムだ!奥が深いゾ!
その効果のメカニズムはこうです。
勃起にはサイクリックGMPという物質が重要な役割を果たしています。
サイクリックGMPには海綿体内の平滑筋を弛緩(しかん)させる作用、すなわち、勃起を引き起こす作用があるのです。性的な興奮が起こると陰茎神経などから放出される一酸化炭素を介して、サイクリックGMPが増加します。
ただ、人の体の中には、このサイクリックGMPを分解してしまう酵素(ホスホジエテラーゼ=PDEと呼ばれています)も存在します。バイアグラはこのPDEをブロックすることでサイクリックGMPの分解を妨げ勃起の手助けをしているのです。
ここが大事!結論だゾ!
これまで、飲み薬でここまで有効な勃起治療薬はありませんでしたから、勃起障害で悩まれていた方々にとっては待望の薬といえますが、この薬も勃起障害の万能薬というわけではありません。
これまでの報告では勃起障害の患者さんのうち、バイアグラを服用して改善を認めたのは7~8割です。
残りの人にはバイアグラをもってしても如何ともしがたく、そのような人たちには他の治療方法が選択されることになるということを忘れてはいけません。