平成11年6月25日スポーツニッポン新聞北海道版掲載
悪意なき早漏
本人に悪意などない。いやむしろ、済まなかった、申し訳ないとさえ思っている。それなのに女性は驚き、笑い、怒り出したりする。ひどい時にはわがまま、思いやりがないなどと決め付けられて、別れ話にまで発展してしまうこともある。早漏はなんとも悲しい病気です。
早漏とは「ごく小さい性的刺激で、または挿入前、挿入時、あるいはその直後で本人が望む前に、射精が起こることが持続または反復すること」（米国精神医学会）であり、射精反射をうまく自己調節できないために起こります。本人のわがままなんかでは決してないのです。もしも、読者の中に早漏でお悩みの方がいたら、まずこのことを女性に説明し、誤解を解いておくことが必要です。そして、もしも、女性から治療の協力が得られるようならいうことありません。
２人でがんばっていきましょう！そのあとのお礼も忘れずに・・・
早漏の治療としてセマンズ法と呼ばれるセックスセラピーがあります。これは性行為の中で射精反射を自己調節できるように訓練していくものです。まずは、パートナーの手による刺激から始めます。射精しそうになったら合図を送って刺激を中止してもらい、ぐっとこらえて、射精感が弱まったところで刺激を再開してもらいます。この様な我慢が３回できたら、４回目にやっと射精が許されます。
これがうまく出来たら、次はパートナーの手に潤滑油を塗って、より刺激が強く加わるようにしてもらいます。手による刺激をクリアしたら、今度はセックスで試してみましょう。始めは女性上位で挿入し、パートナーの腰に手をあてがって上下に動かします。射精しそうになったら動きを止めて射精感が収まるのを待ち、落ち着いたところで再び始めます。
これもやはり３回我慢で４回目で射精の許可が出ます。同様のやり方で、側臥位、正常位と進めていきます。この方法を行うことで比較的短時間に射精をコントロール出来るようになるはずです。無事克服できたら、お礼はもちろん、あなたの治療効果を存分に発揮すること、これに限ります。
